分かって言っているのか|住宅−問題

「浜田、状況が分かって言っているのか? 見ろよ外を、雪が激しく振っていて横殴りの状況だ。広場の向こうにある桜の木もほとんど見えない状況だ。つまり十メートル先が分からないんだ。素人が外に出るとまず間違いなく遭難だ」

「それでしたらせめて小屋の周りだけでも見てきます。ちょうど薪が残り少ないですし」
「分かったよ、納得できるまで好きにするがいい」

 まただ、ふたりの女性は俺たちの行動を見ている。些細なことを気にするのは精神的に参っている証拠か? 駄目だ、少し落ち着かないと。

 だいたい瀬野が勝手な行動をするからこんな事になるんだ。俺が悪い訳ではない。休もう、背中を壁につけて休んでいよう。どうせこの状況から逃げ出すことはできない。

 見える。意図して座る場所をずらしたのに桜の木が見える、どうしてだ。ひょっとして久美子の怨念か? 馬鹿な、そんな事を思う俺はどうかしている。怨念なんてこの世に有るはずがない。存在するものは、自然と人間、それから人間が作り出した人工物だけ。実体のない生き物がこの世に存在するなんて非科学的だ。

 「藤井さん、大変です」
なんだ、またかよ。大変なのはお前の性格だ、吹雪なのにバタンと扉を開けるやつがいるか。おかげで小屋の中に雪が舞っているだろ…何が大変なんだ

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