何が大変なんだ|住宅−問題

「何が大変なんだ」
「雪が落ちています」
あー、何を言うかと思えば、雪が落ちている? やはり馬鹿だ、雪は落ちているんじゃなくて降っているんだ。正確な日本語を使え。
「浜田、雪が落ちてるわけはないだろ」

「違うんですよ、藤井さん。とにかく来てください。ほらっ」
ホント、手間の掛かる男だ。いったい何があったと言うのだ。だいたい吹雪の中に防寒着もなしで出て行くことがおかしい、そのことに気付かないのか。

 あれっ、本当に雪が落ちてる。屋根か、屋根に降り積もった雪が重みに耐え切れずにずり落ちたんだ。まずい!たまたま瀬野がこの下に立っていたら、押しつぶされている。
「藤井さん。無茶ですよ、手で雪を取り除こうなんて」
「うるさい!今はこの方法しかないだろ。お前もボケーと立ってなくて手伝え」
「見てください藤井さん。軒下にスコップが置いてあります。これを使えば」
スコップ?

「ちょっと待て浜田」「どうして止めるんですか。瀬野さんがこの下に埋もれていたら早くしないと」

 あの時と同じじゃないか、どうしてスコップが軒下に置いてあるんだ? スコップは俺が凶器に使った道具……。まさか俺が捨てたスコップを誰かが拾ってきた? いや、俺は証拠が残らないようにと、木が覆い茂る森に向かって投げた。それを見つけるのはまず無理だ。きっとスコップがなくなって、不便を感じた誰かが新たなものを用意したんだ…そんな訳ではなくて

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